政治家は結果を出すべき。そうであるならば彼らの「入力」に対する「出力」を TOPIX で読み取ってみよう。

TOPIX 国内株価指数 チャート(10年)|松井証券
経済学徒ではない僕たちはクルーグマンの名前が出てくる記事は読まなくていいのではないかと思っていて、じゃあその代わりに TOPIX の10年足読もうぜっていう話。
TOPIX で振り返る民主党政権
TOPIXは東証株価指数といって東証に上場していている株式会社(約 1700 社)の株価から算出されている日本株の代表的な株価指数です。「ニッケーヘーキンカブカ」っていうのと似たようなものです。日本の企業が元気かどうかをはかれば経済がよいかどうか測れるということですね。で、そのTOPIXの10年間の推移が前掲のグラフです。「元々調子悪かったのは分かるけどズルズル悪くなっていってるだけじゃねーか!」ということが分かります。どうやら歴代民主党政権には経済を改善する能力がなかったようです。
どうですか、「どうやら歴代民主党政権には経済を改善する能力がなかったようです」っていうのがウェブページ1枚で分かっちゃうのってすごくないですか?
TOPIX で振り返る安倍政権
この調子で安倍内閣がどうだったのかも確認できます。安倍内閣は(安倍改造内閣も含めて)2006年9月26日から2007年9月26日でした。下掲の図でピンクで囲った部分ですね。

TOPIX 国内株価指数 チャート(10年)|松井証券
ふむふむ…、「短っ! じゃなかった。おぉ、これはここ10年で最高潮のときじゃないですか。じゃあ期待できるってこと?」ということが、事実から確認できるわけです(というかまあそれ以前にここまで急上昇させた小泉政権がすげぇのもありつつ)。むろんどういった政策がそこでなされたのかが重要なのですが、でも大前提として日本の株式会社トップ 1700 社の株価はよかったんだっていうところは動かない基準に判断できるんです。これは読んでおいて損はなかったですね。
竹中平蔵元議員はどうなの?
「国務大臣を歴史上最も長く務めた」とか「日銀に恐れられている」とか言われている竹中平蔵さんが 内閣府特命担当大臣(金融担当) や 経済財政政策担当大臣 を担っていた期間はというと下掲した画像の緑の部分です。

TOPIX 国内株価指数 チャート(10年)|松井証券
(もっと緑の部分は左から続いていなければならないところなのですが、それはもう10年以上前の話なので許してもらうとして、)「おぉ、まさに今のニホンケーザイに求められている人材じゃないですか!」っていうのが分かりますね。このころ「実はいま日本は戦後最長の好景気にあるんですよ」「えー、とても実感できない!」みたいなやり取りがされていたのを覚えてらっしゃる方もいらっしゃると思うのですが、今なら「あー、とても実感できる!」って思うかもしれませんね。このころは電機メーカーとか元気でしたから。人間は失ったものにしか気づくことができないのです(しかしその「忘れグセ」は成長を続けるために大事な才能です)。
リーマンショックは?
最近はさすがに聞かなくなりましたが「リーマンショックによる影響などがありかくがくしかじか」と言い訳に使われるリーマンショック(経営者はそういった波を乗り越えってっていうか関係ないくらいの成長を目指すべきだと思うんですよっていうのは置いておいて)。リーマンショックは2008年9月15日に起きてその後1か月くらいかけて影響が日本にも出ていったのですが、これはグラフで青の矢印で指したあたりのお話。

TOPIX 国内株価指数 チャート(10年)|松井証券
ふむ、「うわー、これは見事にガタ落ち! あれ、でもその前から落ちてますやん!(笑)」っていうことが分かります。
なぜ日経平均株価ではないのか
「あー、おもしろかった」。そして気になってない? 「なんで日経平均株価じゃなくて TOPIX なん?」って。
理由は、株式市場全体の動きを長期的な観点で把握するには TOPIX のほうが適しているから。
その要点は下記の2点。
- TOPIX は日経平均株価より偏向が少ない(公平性が高い)
- TOPIX は約 1700 社、日経平均株価は 225 社(代表性が高い)
「公平性」ってなんぞやっていう話をすると、そもそも日経平均株価は、あの「日経新聞」を発行している日本経済新聞社が独自に TOPIX の約 1700 社から独自に 225 社選定して算出している平均株価なのです(だから「日経225」とも呼称されます)。その「独自に」っていう部分が偏向で、東証に上場していれば無差別に組み込まれる TOPIX のほうが公平性がより高いと判断できるのです。
続けて「代表性」ってなんぞやっていう話もすると、要は TOPIX のほうは時価総額が純粋に反映されているので、市場参加者全体が保有する富の価値をこの指標で代表させる(この指標であらわしても信頼度が高い)ことができるということである。「じゃあどうして市場参加者全体が保有する富を使わないの? そっちの方が信頼度が高いのでは?」と考えるのも道理ですが、その理由は、全体を計測すると範囲も不明瞭で時間も金額もかかってしまい逆に信頼性が下がってしまい指標として使えないからです。
以上を鑑みると、より簡易でできるだけ信頼度が高い指標ということで、「選ばれたのは、 TOPIX でした」となるわけです。
グラフどうやって見れば良いの?
グラフの赤い線を見て下さい。短期的な変動に左右されない24か月の平均が赤い線です。黒い線(ローソクと呼称されます)が最も短期的な指標で、青い線が12か月、赤い線が24か月と、後者になるほど凸凹がなくなって平準化されていることが読み取れると思います。長期的な指標を見る際にはそれが参考になります。
1968年〜
【追記】TOPIXが指標を公表され出してから全期間のグラフを見つけたので追記しておきます。

東証 : History of TOPIX
@ymkjp