2013-05-11

NHKオンデマンドはとっても良いサービス


良質動画見放題

まずNHKオンデマンドとは何かというと、PCとスマホで過去のNHKの番組を視れるサービスである。そして気になるおねだんは月額 945円

僕はこの金額は視聴できるコンテンツの割に安いなぁと思っている。

例えばNHKオンデマンドでは「映像の世紀」(このドキュメンタリを超える作品が作られることは今後ないんじゃないかというレベルの番組。宮崎駿が絶賛してプロデューサをスタジオジブリに招聘して社内勉強会を開催したという逸話もある)が視れるんだけど、これのDVDボックスは Amazon でも 66,973円。5年以内に視聴し終われば元がとれるくらい破格のおねだんなのである。

他にも、Nスペ、クローズアップ現代、サイエンスZERO、ダーウィンが来た、などなど、日本を代表するドキュメンタリや科学番組が取り揃えられており、知的好奇心を満たしてくれる。

非常におすすめである。




おすすめ番組3選

いくらサービスがよくったってコンテンツが糞じゃ話が始まらない。しかしNHKオンデマンドの場合はそんな心配とは無用だ。

  1. おしん
  2. Nスペ 映像の世紀
  3. Nスペ 電子立国

1. おしんと 2. 映像の世紀 は「NHKが最も輝いていた時代」のドラマ部門とドキュメンタリ部門の2本柱だ。

そして 3. 電子立国 はご存知ないだろう。副題に「ニッポンの自叙伝」とある。つまり、「ニッポンが最も輝いていた時代」のドキュメンタリである。

今日の日本はいかにしてあるのか。それを(近年凋落が叫ばれて久しい)かつての電機業界の半導体にフォーカスをあてて取材することで明らかにしてある。




ユースケース

さて、NHKオンデマンドを使う時はいつだろうか。それはご飯を食べるときである。

ごはんを食べるときというのは両手を使ってWEBブラウジングすることができない。つまり、このときばかりは動画コンテンツが必要になってくる。

動画といえばニコニコ動画があるけどニコ生も含め、わざわざみたくなるようなコンテンツはそんなにあるわけじゃないし、TEDだって良質なものは限られている。

そこで良質なコンテンツが大量に陳列されているNHKオンデマンドの出番なんですよ。




アプリの完成度


iTunes App Store - NHKオンデマンド

NHKオンデマンドのアプリの完成度は特筆すべきレベルである。例えば、

  • アプリ内のロック機能
  • 洗練されたUI ※PCサイトでは「最近見た番組」が分かりにくく最近みている「不思議の海のナディア」を何話までみたのか忘れがちだったので大変便利である
  • お気に入りのフリップ動作での削除 ※これはヘビーユーザを失望させない奥ゆかしい心配り

合格! 心のなかで叫んだ。

このアプリは非常によくできている。このアプリによって、NHKオンデマンドは僕の満足分岐点の閾値を越えた(そしてブログを書くことを決心させられた)。




改善点

とはいえ、褒めてばかりだと能がないので改善点も書いておこう。

いわゆる「ユーザからの要望」っていうやつだ。

  • まず1つ。視たいと思っていた動画がみれなくなるのはすごく残念だ。どういう理由からか、番組ごとに「配信期間」というやつが設けられているのだ。なんで?(おそらく、一括での不正ダウンロードを防ぐ目的だろうが、その対策による不利益をユーザに振り分けるとはなにごとかと)
  • 2つめ。ニュースが視たい。いや、視れないわけではないんですよ。実はここまで取り上げたNHKオンデマンドっていうのは2つ選択肢があるうちの「特選見放題パック」という過去のアーカイブを視るほうのパックのことで、ニュースや最新の番組を診るためには「見逃し見放題パック」という同額(945円/月)のパックも購入しなければならない。この2系統の選択肢を設ける方法は良いとしても、「見逃し見放題パック」のほうで扱っているコンテンツの内容は新しさに重点が置かれていて "Information want to be free" (情報はタダになりたがる) に近い。そのためどうしても割高に感じてしまう。
  • 3つめ。最後にコンテンツについて。「ニッポンの自叙伝」で電機業界を扱ったなら、自動車業界編も作ってほしい。こちらはいまや「日本の主幹産業」と呼べる数少ない業界となってしまったのだし、ぜひ。



プロモーションの不足

とまぁ、文句は垂れたが基本的には満足している。

それだけに、せっかくプロダクトがいいのだからもっとプロモーションをがんばってほしい、と思わずにはいられない。哀しいかな「良いプロダクトを作れば観てもらえる」という非常にNHKらしい体質ゆえに利用者増が伸び悩んでいる。

とんでもない母数の、しかも盲信といってもいいほど自社を信頼してくれている視聴者を抱える媒体を持つ企業としては、わざわざ他社に広告をだすのはとんでもないお話なのだろう。しかし、だ。




この象限図を見れば分かる通りNHKがアプローチできる層は黄色の視聴者のみである。彼らはすでにテレビを持っている時点でテレビが好きなテレビっ子で、放っておいてもすでにNHKの番組をチェック済みの人も多いはずで、わざわざ自社媒体で広告して再アプローチしてもNHKオンデマンドの契約につながる確率は低いのである。

一方、WEB広告でアプローチできるのはピンクの部分だ。彼らはNHKが視たいがみれていない。しかもPCやスマホは使っているという超優良な潜在顧客である。だからWEB広告を打つべきなのだ。

なぜこんな話をするか。僕自身がテレビを持っていないくせにNHKを視たい人だからである! 「テレビは持っていないけれどNHKのコンテンツは視たい」という人がここに存在するのだ!

こういう僕みたいな人は意外と少なくない。今後はもっと増えていくだろう。

僕は幸い「もののけ姫はこうして生まれた」で宮崎駿監督が「映像の世紀」を褒めているのを視て、僕もチェックしたいなぁと思ってたまたまNHKオンデマンドに流れ着いたにすぎない。

それにしても別にオンデマンド展開をしなくても潰れる心配がないNHKがわざわざこのクオリティの製品を出してきているのは、WEB業界にいる僕から見ても本気度は伝わってくる。何か今までのテレビの枠組みにない部分をつくってやろうという気概がある。

そうであるならば、ピンクの象限にアプローチするべきなのでは。