先日 おおかみこどもの雨と雪 をみました。いやぁ、良作。ちょっとあふれる思いをぶちまけさせてください。
ジブリ意識は露骨に強まっていましたね。細田守の作品のヒロインといえば今までは女子高校生でしたが、今作では「母+ロリ+ショタ」。
強い女とロリというのは宮崎アニメの骨格といっていいほどの素材なので、それが今作では大胆に導入されていました。
ショタの方はサマーウオーズでのショタ人気を受けてのことなのでしょうが、はい、そうですね継続投入ですねということになります。マーケティングうまいですね。
登場人物の笑い方、泣き方、はしゃぎ方、これらはどれを取っても宮崎アニメ独特の雰囲気が感じ取れました。
あれであの焼き鳥を食べるシーンや少年がソーダ水を飲むシーンがもっとおいしそうに見えれば完全に宮崎アニメでしたね。
そして賛否両論の多い「子育て」について。おおかみこどもを見た人たちがてんでかってに花を dis りまくっていることを見れば、もう本当に現代日本社会の弱点を浮き彫りにしています。
なんて子育てのしにくい国なことか!
もうこの一言につきます。That's it.
子育てって、うまくいかないものじゃないですか。それなのにどうしてそんなに子育てをする母親を責めるのでしょうか。どうして応援しないのでしょうか。
もう子育てを応援するつもりなんて、みんな毛頭ないんですね。このベースとなる姿勢が、選挙を通じて政治にも反映されているのでしょう。
あぁ、なんて子育てのしにくい国なことか!
そして、ネットの特性ですね。ネットは子ども文化が強い場なので、どうしても子ども目線の意見が多数派になります。
例えば携帯電話のルールがとりあげられらば、そこへの反応は「親にルールを押し付けられた子ども」の目線の意見が多数派になります。「子どものITリテラシーを教育しつつも、心や体が傷つくことから守ってやりたい」という親心は少数派です。
この「子ども目線」と「親への厳しさ」が合わさったのが、おおかみこどもへのネット上の反応の大半を占めています。
だからこそ、細田守監督が「子育て」をテーマにしたことはとても勇気のあるチャレンジです。
このように賛否両論になるのはもう細田守監督にもあらかじめ予測できていたことでしょう。それでも、分かっていてもやるべきだろうと思って作ったのでしょう。
もう、それを思うと嬉しくて。そんな細田監督のチャレンジ精神とマーケティング的な器用さとが、バランスよく調和されたのが僕にとってのおおかみこどもでした。
いやはや、良作。