
電源のない雨ざらし温室にうってつけ
アスデン株式会社が販売している「ソーラー換気扇」です。
サイトでの直売で ¥3,980 だったので注文しました。

製品外面ですが、わりと作りは雑です。

設置方法や耐水構造の概略図です。
製品外径 172mm
製品厚さ 80mm
製品重量 350g
耐水性があるため屋外にも設置できます。
合板やガラスへの取り付けが想定されておりビニールハウスには少しオーバースペック気味ですが350gとそれほど重い製品でもないためビニールに設置してもどうにかなりました。
直径が17cmあることから空気の流れが強すぎて植物たちに悪影響を与えないか心配していましたが、動作はブオーッではなくファンファンファンというのどかな速さなので杞憂でした。
温室が目指すべき理想の環境は「高温・低湿・通風あり」
サボテンにも品種や原産地によって大きな違いはあるという前提はありつつも、目指すべき理想の環境をざっくりとでも分かっておきたいですよね。
風通しの良い場所を好むように思われます。大竜冠やエビサボテンは風が吹き抜けるような峡谷や岩山に生え、白虹山などは山頂の吹きさらしのような場所に生えています。朝は0℃近くでも日中は30℃を越え、太陽光線は強く、風も強い。そんなメリハリのきいた環境に生息しています。
サボテンの自生地の環境を調べてみると、思っていたよりも大切なのは風通しだということが分かります。
日本のベランダ温室の場合、夏場は特に風通しが重要になるでしょう。
風通しがよければ湿気もたまりにくいですし、気化熱で温度を下げることもできます。
夏 | 冬 | |
降水量・湿度 | 温室のビニールで雨露を防ぐ。湿気は換気扇でできるだけ取り除く | 温室のビニールで雨や雪霜を防ぐ |
温度・太陽光線 | 遮光ネットをかける。空気が滞留しなければ日焼けしにくい | 発泡スチロールで保温 |
ということで、たんにビニールの温室を置くだけでは雨露をしのぐことくらいしかできないので、別途、夏場は遮光と換気、冬場は防寒対策も考えなければなりません。
そこで満を持しての換気扇です。
換気扇なしの場合は温度計がMAX値に
湿度は計れませんが、温度はクレセルのデジタル温度計 (室内・室外の最高・最低温度を計れる) を買ったので換気扇ありなしで比較してみました。

観測日の2014年7月28日の港区の天気は晴れ。
気温は29℃、風速4mの風の流れがあったようです。

そして結果は、温室の外 (屋外・直射日光) は45.2℃。

温室の中はなんと観測不能 (測定上限50.0℃) でした。
外部用の温度計は70℃まで計れるのでそちらを温室内に突き刺して再計測してみました。
再計測の結果、温室内は65℃まで達すると判明

天気は晴れ、最高気温は30℃でした。

気になる結果は、65.1℃でした!
これはあかんやつや…
うーん、想像以上の高温っぷり。
直射日光のあたる外気温が45℃くらいだったことを考えると、遮光ネットと換気扇で40℃以下までもっていくのが目標値になりそうです。

ちなみに部屋の中はエアコンなしでサーキュレータだけまわしていて33.6℃でした。
日光はベランダよりは若干弱いものの、もう部屋の中でいいのではないかという気になってきました。
何より屋外では実現できない高密度住宅ならでは湿度の低さが魅力的です。
日当たりの良いデスクの上に置いておいて、自分がデスクを使う時だけベランダに出すということができるので、そうしようかなぁ。
遮光してみたところ10℃以上気温を下げることに成功
いらなくなったベッドのボックスカバーをかけて温度を計ってみたところ、かなり効果はありました。

最高気温31℃でしたが、温室内は48.8℃でした。

15-16℃ほどの効果がありました。

室内は前日と同じくらいの温度でした。
換気扇の効果は微妙でした
目標は40度を下回ることですが、果たして換気扇の効果のほどはいかに。
日付 | 最高気温 (℃) | 温室内 (℃) | 室内 (℃) | 備考 |
---|---|---|---|---|
2014-07-29 | 31.8 | 65.1 | 33.6 | 直射日光, 換気なし |
2014-07-30 | 33.9 | 48.8 | 35.8 | 遮光あり, 換気扇あり |
2014-08-03 | 35.5 | 56.6 | 29.9 ※エアコン | 遮光なし, 換気扇あり |
結論としては温度に対しては遮光するほうが大事ということでした。
ただ、植物のためには温室内の空気の空気の流れを作り出すことも大切なので、換気扇が無駄というわけではありません。