ニコニコ動画の「シムシティ4」プレイ動画、2日間くらいで通して見ちゃいました。
■ 丁寧で高レベルなプレイ動画で感動
実は作者の方はニコニコ動画では有名なゲームの講義シリーズの作り手の方らしいですが僕は初見でした。いわゆる「プレイ動画」でシムシティのゲームシステムの説明をしながらプレイを進めていく講義形式になっていますが、これがまた丁寧な作りでして。何がすごいかって、単に高レベルなオナニープレイをするだけでなく、見る人を楽しませる暴走プレイや下手くそプレイ、あるあるネタなどを織り交ぜつつのゲーム展開。このプレイ動画では100万人都市を目指してゲームが進められていくのですが、その中心都市の発展に欠かせない衛星都市(となりのマップの都市)の開発の描写などは大幅に省かれているなど、とにかく「魅せる」工夫がされているわけです。この講座もシリーズ何作目からしいですが、そこらへんの手慣れた感じのメタ視点での動画編集に驚かされました。思わず最終話である20話では普段はコメントを書き込まない僕も100万人達成の瞬間には「おめでと~!」とか書いちゃいました。シリーズをまとめて見ることができるマイリスト。総プレイ時間2年でがかりという大作。ふぇ〜ヽ(´ー`)ノ
■ シムシティ5作目が2013年に発売するが
元々僕がこのプレイ動画を見始めたのも、本家シムシティの5作目が2013年に発売ということでシムシティ未経験だったのでやってみたいなぁと思っていたら評価の高いプレイ動画があるらしいと噂を見つけてから見始めたわけでした。シムシティについて知りたいと思っていた僕には好都合だった本動画ですが、このプレイ動画がシムシティ4の売上にどれほど貢献したかはよく分からないですね。確かに本動画のニコニコ市場(動画ページの下部にある「シムシティ4」への購買導線)経由での売上はあるようですが、この動画を見て満足してしまって買わなかったマイナスの人数もいるわけで。実際に僕のようにシムシティについて知りたいと思っていて、このプレイ動画がなければゲームを買うしかなかった人が結局はゲームを買っていないわけですから。■ プレイ動画はPVとして捉えないほうがいい
当エントリーの冒頭でも記した通り、本動画のゲームのプロデュース力はおどろくべきものでした。いや、プロデュース力という表現はプレイ動画を小さな枠に狭めているとすら言える。この動画の視聴者なら確信できますが、この動画がもたらす文化的な力にはそれそのものに価値がある。「ゲームの壮大なPV」に矮小化してしまうのは惜しい。むしろPVとして捉えるとPVだけで満足する今回の僕のようなケースがあるのでプレイ動画が壮大であればあるほど不利になるだろう。だからゲーム業界の人はプレイ動画を「ゲームの世界感に浸るための動画」と捉えるべきだ。つまり、ゲームの世界に浸りたいのにゲームをプレイする時間がない人がゲームの世界に浸る方法としてのプレイ動画。他にも、ゲームが下手だけど爽快なアクションや美麗なグラフィックを見たい人。ガンガン敵を倒しまくる戦争ゲームとかは見ていて楽しいです。しかしこれは自分でやっていても操作を覚えるのが難しくて挫折してしまう人は多い。しかし、友人のプレイしている動画や動画サイトの神プレイ動画では、ゲームがもたらす世界に浸ることができる。プレイせずにゲームの世界観に浸りたいという欲望、ゲーム廃人には分からないかもしれないですが、間違いなくこの需要はありますよ。■ よくできたプレイ動画はプレイと区別がつかない
ゲーム会社は今すぐお金を出してでも見たいプレイ動画を作れる作り手を囲って会社のポートフォリオに組み込むべきだ。ただでさえ日本のアニメやゲーム産業は先鋭化しすぎている。もっと裾野を広げる試みをしなきゃダメだ。ゲームってプレイヤーが選択できることに大きな価値があると思うのですが、それって別に本当にプレイしなくても得られるんです。よくできたプレイ動画は視聴者をゲームの世界へと連れて行ってくれます。ということで最後に、今回のシムシティで感じたプレイ動画の魅力も参考に「売れるプレイ動画」の要素を列挙してみました。- ストーリーの選択に納得感があって楽しい
- ゲームの操作がうまい
- 全体を通して見せるべき部分を見せることができている(不要な部分をしっかり削れている)
- しかし不要な部分を削りつつもゲームで大変だけど努力するポイントは伝えられている(そういう意味でも見せるべき部分を見せることができている)
- ゲームだけでなくプレイ動画自体に付加価値がある
■ おまけ: おすすめプレイ動画
lainはアニメ版見てハマった人は見てもいいかも。
他にはBattlefield3を友人がプレイしているのを見るだけでも楽しかったですよ。
@ymkjp