証券アナリストジャーナル 2010.8「事業ポートフォリオの包括的評価」 (pdf)
おもしろい論文を見つけた。この論文では事業ポートフォリオ評価モデルの要因のひとつとして「シナジー」が取り上げられている。文脈としては経営の多角化にともなう、規模の経済、リスク分散、コングロマリット・ディスカウントなどのメリットまたはデメリットのうちの1つとしてシナジーが取り上げられているのだが、これはITのスタートアップがどの業種でサービスするかという視点で捉えてみることもできる。
つまり、簡単にいえば、現状で、どういう業種が組み合わさればブルーオーシャンになっているのか、あるいは反対にレッドオーシャンになっているのかということが書いてある。
具体的に見ていくとおもしろいことが分かってくる。例えば、「情報サービス業」と「家具・什器・機械器具小売業」は相乗効果が最も高い。次いで、「情報サービス業」と「不動産賃貸業・管理業」。
逆に、レッドオーシャンが多い組み合わせは、「インターネット附随サービス業」と「映像・音声・文字情報製作業」。この組み合わせなんかは参入も多そうだし、サーバもたくさん調達しなきゃいけないし、多数の苦戦する企業があるということだろう。